研究開発プロジェクト「RAIZIN」

昨今のゲーム開発で必要となる技術はまさに日進月歩となっています。それらの技術を取り込みより良いゲームを作っていくために、エイティングでは様々な研究開発を行っています。今回はその研究開発の成果の一つ「Project RAIZIN」をご紹介させて頂きます。

最新の技術を開発力へ

2022年4月、Epic Games からゲームエンジンの最新版である Unreal Engine 5(以降 UE5)がリリースされました。近年のゲーム開発ではゲームハードのスペック向上に伴い、技術進歩のスピードも加速しています。そのような状況の中で高い開発力を維持するために、エイティングではUE5の単なる機能確認だけではなく、実際にハイエンドなグラフィックで表現されたゲームのモックを作ることにしました。

ジャンルはエイティングが得意とするアクションゲームをベースとし、技術力の向上とともに今後の対戦アクションゲームの基盤システム開発も目的の一つとしました。もちろんゲームのモックを作成するのはエイティングのゲーム開発を支えている第一線で活躍するスタッフたちです。彼らが研究開発に携わることで、より実践的な検証や開発が行え、技術をノウハウとして効率的に蓄積していけると考えています。

完成したモックと研究の成果

モックの内容やこだわりのポイントに加えて研究対象となった部分を紹介します。

多彩なアクション

アクションゲームとして、キャラクターの操作は重要な要素です。モックではキャラクターを動かすだけで楽しく感じる操作感を意識し作成を行いました。攻撃アクションとしてはブレードと銃によって近接と遠隔の2種類の攻撃を行うことができるシンプルなアクションとしつつ、状況や組み合わせによって9種類ものコンボに変化するようにしました。コンボ変化を導入することで、シチュエーションに合わせたモーション切り替えやモーションの自然な繋がりなど、見た目だけでなく機能的な検証を行いました。また、攻撃以外でも2段ジャンプやダッシュ、ジャスト回避などゲーム的な要素を入れ、ゲームとしてもシンプルながら多彩なアクションを繰り広げることができ、対戦アクションゲームの基盤として十分な成果を上げることができました。

物理シミュレーションされた布の表現やIKによる接地、それらが組み合わさったプロシージャルアニメーションなど、いくつもの技術の積み重ねがキャラクターの動きに説得力を持たせています。

リアルな背景と天候

作成したステージは光が眩しい屋外、暗い屋内、雷雨の市街地などバリエーションは様々です。人工的な建造物、それらを浸食する自然、海の表現、風の表現、そして天候など、すべての表現に対してリアルさを追及しました。しかし、アクションゲームである以上は明るいステージでも暗いステージでも敵やキャラクターの視認性を確保する必要があります。ステージはリアルなだけではなく、ゲームとしての見た目を意識して調整が行われています。


美しい光や市街地の背景など、UE5の新機能である Lumen や Nanite を随所に活用しハイエンドなグラフィック表現にこだわりました。もちろん4Kの出力にも対応しています。

迫力のあるボスバトル

最後のステージには大型のボスが待ち受けています。ボスは見た目や攻撃方法が3段階に変化するなど、細かい部分までしっかりと作りこみ、歯ごたえのあるバトルができるようにこだわりました。また、バトルだけでなくカットシーン演出やステージの一部が崩壊するなど、見た目やゲームとしても飽きさせない迫力のあるボスバトルに仕上がっています。

ボスは操作するキャラクターの数倍もの大きさがあるため、よりディティールにこだわりました。迫力を出すための攻撃時の地形破壊表現をはじめとして、攻撃対象に上体や頭、腕を向かせたり、ダメージを受けた箇所には傷がつくなども表現しています。

カットシーンで魅せるストーリー

世界観やストーリーを魅力的に表現するためにカットシーンは重要な要素となります。キャラクターのビジュアルやステージ表現などの魅せたい箇所を意識してカットシーンを作成しています。更にUIやテキストでの説明を最低限にすることで、ゲームプレイ中にカットシーンへ集中できるような工夫もされています。各ステージへの始まりや終わり、ギミック作動、ボス戦での状況変化などリアルタイムのカットシーンが随所に組み込まれています。


専用のモーションや派手なエフェクトによる演出、カメラワークにもこだわりました。Chaos Destruction を使用したオブジェクトの破壊表現にも注力しています。

研究開発のこれから

以上が完成したアクションゲームと研究の紹介になりますが、UE5の新機能は他にも沢山あります。また開発力の向上にゴールはありません。エイティングでは今後も色々な研究を続けていきますので、その成果はまた別の機会に紹介できればと思います。

※Unreal、Unreal Engine、UE5、Unreal Engineのロゴは米国及びその他の国々におけるEpic Games, Inc.の商標/登録商標です。

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