ＡＬＩＣＥ

　最初のうちは、追っ手から身を隠すことだけで精一杯だったアリスだが、余裕ができるにつれて気になることが出てきた。施設内で、同じ実験体として共に暮らしていたもう１人の少女がいたのだ。アリスを姉のように慕っていた彼女は、脱走の時に体を張って追っ手を引き付け、アリスを無事に逃がすために自ら捕えられてしまった。彼女を救うため、アリスは逃げ回るのをやめて追っ手と闘い、獣人兵器化計画を壊滅させることを決意した。

　人工的に獣人の能力を覚醒させられた、いわば人造の獣人。普段はごく普通の少女で、人を傷つけるようなことは大嫌いだ。しかし窮地に立たされると防衛本能が働き、活路を見出すために獣化して闘う。追っ手から逃げるのをやめてからは、積極的に獣化を利用しているようだ。

　悲惨な生い立ちにもかかわらず、明るさを失っていない。獣に変身するという、常人にはショックに感じられる体質も、「ウサギはかわいいからＯＫ」とポジティブに受け止めている。獣化すると耳が長くなるぶん、身長が伸びる（身長は頭頂から計るので、本当は変わらないのだが）のも気にいってるらしい。